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押出機| リサイクル用ペレタイザー
押出機 スクリュー| 長さ・太さ・デザイン・種類の選ぶ際の5つのポイント
押出機は非常にシンプルに装置ではありますが、シンプルだけに奥が深いです。
特に、スクリューの設計については素材、長さ、太さ、溝の深さ、デザイン含め、無限の組み合わせがあります。
ここでは、リサイクルで一般的に仕様されているスクリューについてお話します。
押出機のスクリューの種類について非常に大雑把に分類をしてみると一軸と二軸押出機のスクリューがあります。
POLYSTAR標準の素材は日本から輸入した鋼材、SACM-465を使用しており、これはバレルも同じです。表面は窒化処理されており、耐摩耗性を高めてあります。
メッキ加工を施すことも多くあります。
参考記事:サージングの原因と対策についての記事はこちら
ベントアップの原因と対策についての記事はこちら
初めて押出機を選ぶ際のチェックポイントについての記事はこちら
1)一軸押出機とスクリュー
一軸の場合は 樹脂を加熱して溶かしてペレット形状に加工にすることがメインのシンプルなスクリューが多くなります。供給部、圧縮部、混錬部、計量部からなります。
混練部はダルメージと言われて、樹脂がよく練られるようにスクリューがギザギザに加工されています。このデザインにはメーカーにより様々です。
混練部がないスクリューはフルフライトと呼ばれています。
リサイクル加工に使用されているスクリューの9割以上は一軸のスクリューになります。
2)二軸押出機とスクリュー
一方、二軸の場合は、一般的に一軸の場合よりも練りが良く、品質(均質性、分散性ほか)は向上します。
従いまして、異なる樹脂同士あるいは添加剤又は着色料顔料、カラーマスターバッチなどを混ぜてコンパウンドをする場合が多くなります。
コンパウンドというのはよく練ることによって樹脂を均一にするということになります。
二つの軸の回転が同じ方向の場合と、異なる場合があります。
同じ場合:同方向(こちらのほうがよく練れる)
異なる場合:異方向
単体の樹脂を溶かしてペレットにする場合は一軸押出機のスクリューで、異なる樹脂やカラーマスターバッチなどを入れて均質によく混ぜる場合は二軸押出機のスクリューを選ぶケースが多くなります。
一軸か二軸かという点の分類の仕方以外についても記します。
スクリューの長さ、太さ、あるいはスクリューのデザインによって分類をしてみます。これらの変数により、 製造されるペレットの物性は変わってきます。
3) 押出機 スクリューの長さ
長いスクリュー:生産量は上げやすく、練りも短いスクリューより良い。樹脂の劣化やヤケも起きやすい。
短いスクリュー:熱履歴が少なく、劣化を抑えることができるが、生産量は上げにくい。
例えば 押出機のスクリューが長い場合、この時樹脂は一般的によく練ることができると言えます。
また押出機のスクリューが短い場合、この場合は 樹脂をそれほど練らずに出しても良い場合と言えます。
分かりやすく言えば、溶けやすいLDPE などは、樹脂の再生加工による樹脂の熱劣化を防ぐために、わざとスクリューの長さ(L/Dエルバイディーで表現することが多い)を短くして樹脂を早く出すこともあります。
熱劣化しないように、溶かしてすぐに出すためのデザインをすることがあります。
押出機のスクリューは、長い方が生産量を上げることがしやすくなります。
それは何故かと言えば スクリューを長くしますと スクリューの回転数を大きく上げることができるからです。
長いスクリューであればあるほど樹脂は中を通過する時間がかかることになります。それは、樹脂をシリンダーの中でよく溶かすことができるということです。
距離が長いので、押出機のスクリューの回転数を上げても樹脂が溶ける時間が十分あるので、スクリューの回転数を上げることができるわけです。
4)押出機 スクリューの太さ
太いスクリュー:生産量が上がるが、材料替えやトラブル時のロスも大きい。
細いスクリュー:材料替えの掃除も容易で少量生産などに適しているが、生産量は上がらない。
押出機のスクリューの太さは、生産量と大きく関わってきます。スクリューの 径が100 mmの機械が一時間で300 km 生産するところ、 120 mm にスクリューを太くすることで 生産量が400 kg から500 kg に増加します。
押出機のスクリューの太さを 太いものを選ぶことで生産量を増加させることが可能になります。
5)押出機 スクリュー デザイン
もう一つの見方をご紹介していきたいと思います。 それは、スクリューのデザインによって生産量を上げることはできます。
フルフライトスクリューとは
例えばスクリュー途中で練る構造がなく、形状が樹脂を前へ前へと押すデザイン(これをフルフライトといいます)の場合、これにより樹脂は途中で止められることなくどんどんと前へ押し出されていくので、生産量をアップさせることが可能になります。
ダルメージとは
一方、一軸のスクリューであっても練りを加えたい場合や樹脂をよく混ぜたい場合は、途中にダルメージという練るための構造(混練部)を入れることがあります。
この時、シリンダーの中で樹脂はダルメージにより堰止められるような形になるので 生産量は若干落ちるというのが一般的になります。
従ってスクリューのデザインによっても生産量は変わります。樹脂を練ることが大事なのか、あるいは生産量を上げることが大事なのか、 あるいは練ることも生産量も両方大事なのか。
これによりスクリューのデザイン、形状、太さ、長さ、これらが決まってきます。
押出機を選ぶ、あるいは押出機のスクリューのデザインを選ぶということは、皆さんがどのような用途でペレットを製造するのかということを明確にしておけば、自ずと答えは出てくるということになります。
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株式会社ファー・イースト・ネットワーク ←トップページはこちら
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2021/05/13