公開日:2015年06月18日

設計者のためのクランピングスクリュー解説

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クランピングスクリューとは

クランピングスクリューとは、ねじの推力を利用しワークの固定・位置決めをするための機械要素部品です。 完全ボールによる点接触で、ワークを確実に固定します。 先端のボール形状および材質には、さまざまなバリエーションがあり、目的に応じて使いわけることができます。 また、クランピングスクリューと同様の機能で、六角穴付きボルトタイプのクランピングボルトもあります。

クランピングスクリューを使用するメリット

ワークをクランプ(固定)するための、六角穴付き止めねじや六角穴付きボルトを、クランピングスクリューやクランピングボルトに置き換えることで、ワークとの接触が点接触になります。そのため、ワークに力が伝わり、確実なクランプを実現します。

また、ワークの斜面をクランプする場合、平面ボールタイプを使用することで、先端のボールがフレキシブルに回転し、ワークの斜面にボールの平面部が面接触して、確実にクランプできます。

クランピングスクリューの使用例

ワークの固定に。

バイトの固定に。

ワーク固定治具の製作およびメンテナンスの手間を軽減

ワークの斜面部をつかんで固定する場合、治具本体をワークの形状に合わせて加工する必要があります。 しかし、クランピングスクリューを使用すれば、治具本体にはねじ穴加工のみでOK。治具本体の形状を単純化できます。 また、ワークとの接触面が摩耗しても、クランピングスクリューを交換するだけ。メンテナンスの手間を軽減できます。

クランピングスクリューの種類と特長

形状および材質には、さまざまなバリエーションがあり、目的に応じて使いわけることができます。

ボールの材質

先端のボール材質は5種類。

材質 硬度 特長
スティール 55-60HRC      コストパフォーマンスにすぐれています。
ステンレス 55-60HRC 耐蝕性・耐熱性にすぐれています。
ポリアセタール     94HRM ワークを傷つけたくない場合に。
真鍮 75-125HV ワークを傷つけたくない場合に。
セラミック 1100HV 電気絶縁性があり、耐摩耗性にすぐれています。

 

クランピングスクリュー一覧

本体形状
材質 完全ボール 平面ボール 平面ボール
反転防止機構つき
ギザボール
反転防止機構つき
本体材質 ボール材質
セットスクリュー スティール製 スティール製


SCS-R
SCS-F-R(細目ねじ)


SCS-F
SCS-F-F(細目ねじ)


SCS-FB


SCS-GB

プラスティック製


SCS-N

 

 

 

真鍮製


SCS-BR

 

 

 

ステンレス製 ステンレス製


SCSS-R


SCSS-F


SCSS-FB


SCSS-GB

セラミック製


SCSS-CE

 

 

 

六角穴付き
ボルト
スティール製 スティール製


SCB-R


SCB-F


SCB-FB


SCB-GB

ステンレス製 ステンレス製


SCBS-R


SCBS-F


SCBS-FB


SCBS-GB

セラミック製


SCBS-CE

 

 

 

追加工サービス

クランピングスクリューをよりご使用用途に適応するために、各種追加工サービスを標準化しております。 1個からのご注文も短納期で対応します。

ねじ組み合わせ

レバー・ノブのめねじ商品とスクリューを嫌気性接着剤で接着後、ピン止めで固定します。

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ゆるみ止め

ねじにゆるみ止め処理をします。ねじのゆるみ止め対策やシールが必要な部品に。 接着剤の塗布やシールテープを貼る手間を省きます。

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クリーン洗浄

商品をクリーン洗浄・クリーン梱包します。洗浄・梱包はクリーンルームで行います。 FPD製造装置・半導体製造装置・医療機器・食品機械などに組み込まれる部品やクリーンルームで使用される部品に。

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特殊品

ねじの呼び・長さ・表面処理など、特殊仕様の商品も製作します。

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